中学一年生に防犯や地域安全マップの作り方をお話ししてきました。

 昨日は、所長・横矢が、玉川聖学院中等部一年生の学年集会で、犯罪から身を守るための安全マップづくりについてお話をしてきました。こちらの学校では、自宅から駅まで(通学路)の安全マップづくりを、中学一年生の夏休みの宿題にされているのです。私立で、遠くから通われる方も多いので、中1は重要な時期だからです。

  中学生になると、保護者も防犯ボランティアの方々も「もう自分で身を守れるだろう」と気を緩めたり、見守る対象とはしなくなりますが、だからこそ、逆に配慮が必要な時期だと私は考えています。環境が変わる「新入生」ですし、心身共に変化が大きい時期なので、それまでとは違う用心が必要になります。地域安全マップを小学校で作られた方にも復習になりますし、改めて街の変化を調べることは、危機管理意識を育む効果があると思います。

 玉川聖学院さんでは、15年前から、新入生が通学を始める時期に、主に保護者向けの講演をさせて頂いていますが、今年は久し振りに直接生徒さんとお話する機会を得て、大変嬉しく思いました。
 事件が続いて過敏になっている方も多いかもしれないので、楽しみながらまちあるきをし、保護者との会話や街の安全について考えるチャンスにして欲しいという思いをお伝えしたつもりです。小さい子に教える気持ちで取り組んで、というお願いもしました。
(このように写真やイラストを見ながら、どんな危険が潜んでいるか想像する練習をしました。)

 2003年に、地域の方々や警察にも協力して頂きながら、高等部で初めて地域安全マップを作った時のレポートは、下の活動中の写真からジャンプしてください。テレビや新聞の取材も受けました。


 このページの上の方に写真のある「危険回避・被害防止トレーニング・テキスト」は、私の初めての著書で、立正大学の小宮信夫先生に監修していただいたものですが、中1向けのシリーズの一冊です。出版当時、子ども向けの防犯関連書籍としては、信頼できる日本で初めてものと言われ、警視庁や広島県警では、各警察署に設置して頂きました。

 今回、玉川聖学院の先生が、「改めてこの本を読み返してみると、内容が全く古くなっておらず今も充分使える。かえって今の方が危険が増して必要になっているのではないか。15年も前にここまで考えていたのは大変先駆的だったと思う。」と言ってくださいました。もう廃刊になっていますが、内容を精査してまた読んでもらえるものを作りたいと思っています。繰り返しますが、中1の頃は安全教育をするには大切な時期なのです。

 さて、話は戻りますが、こちらの学校は、いつも先進的な指導法を取り入れられ、教えて頂くことが多いのですが、それと共に、生徒の危機管理意識醸成のための安全マップづくりを長い間継続されていて素晴らしいと思います。そしてその間変わらず呼んでいただいていることに感謝しています。

 毎年この時期に、講演を終えて自由が丘の緑道を駅に向かいながら、しみじみとありがたく思うのです。細々とですが、何とか変わらず活動を続けている私が励まされている場でもあるのかもしれませんね。28年前に主婦として研究をスタートした時期から子育て期を過ごした地域なので、昔のことを振りかえりつつ、この一年でこの地域がどう変わった変化を探しながら帰路に着くのでした。

子どもの危険回避研究所

世の中には、たくさんの危ないこと、危ないものがあふれています。中には、ちょっと見ただけでは分からない危険もかくれています。いろんな危険に出会うと、ちょっとドキドキするかもしれないけれど、不安や悩みはパワーの源です。対策を考えているうちに、きっと楽しくなるはず。親子でチャレンジしてください。「むやみに怖がらない、立ち向かう人間になろう」というのが、この研究所の目的です。

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